Canon Serenar 50mm F1.9 – ライカコピーは本家を凌駕する?モノづくり日本の原点を垣間見たレンズ。

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2018年4月購入。
このレンズは偶然ネットで売りに出てるのを見つけて、「CanonがライカLマウントのレンズを作っていたことがあったんだ」というところから惹かれて買ってしまったレンズです。
ここまで沼に落ちたと思っても知らないことばかり・・・。

 

日本のカメラ史の原点

日本のカメラもコピーから始まっていたんですね。
ライカのカメラをコピーして、キャノンやニコンがライカそっくりなカメラとレンズを作った。コピー商品というと真っ先に中国が思い浮かびますが、オールドレンズをやっていると、カールツァイスレンズコピーを大量に作ったロシアどころか、そのカールツァイスやライカだって、もともとはCookeのレンズ構成をコピーしたりしてるんですよね。みんなモノマネから始まってます。

キャノンのセレナーシリーズはキャノンが初めて作った自社レンズ。
Canon Serenar 50mm F1.9(セレナー)は、1949年発売。
ライカのLeitz Sumitar 50mm F2(ズミタール)のコピーと言われています。

これがグッと来てしまうのはそのスペック

コピーでありながらスペックが違っているのにお気づきですか?

F2じゃなくて、F1.9
また、絞り羽根の枚数も、Leitz Sumitarが10枚に対して、Canon Serenarは15枚

凌駕してるというのは言い過ぎかもしれませんが、ただのコピーでは終わらせないところに、戦後日本が発展してきたものづくりの原点を見たような気がしました。

≫ キャノンの歴史は「キャノン カメラ ミュージアム」をご覧ください。
≫ Canon Serenar(セレナー)の製品ラインナップはこちら

ドイツとオニツカタイガーとナイト氏(ナイキ)

ちょっと違う視点でもう少し歴史のことを・・・

先日、ナイキの創設者ナイト氏のインタビュー記事が出ていて、ナイキ設立の経緯を初めて知りました。
もともとは日本のシューズメーカー「オニツカタイガー(ASICS)」の、アメリカ代理店販売を持ちかけたのが、ナイト氏だった。1962年のこと。ナイキブランドのシューズを販売したのは1971年のこと。

私の少年期の1980~90年代は、すでにナイキは不動の地位を築いていました。NBAマイケルジョーダンモデルのエアジョーダン、そして、大ブームになったエアマックス95。
今思えば、たかだか創立20年にも満たないメーカーのシューズで、それは日本のオニツカタイガー(ASICS)をコピーしたところから始まっていたなんて!

いや、ぜんぜんカメラ・レンズの話とつながらないじゃないかって感じですが、このナイト氏は大学の論文でこんなことを書いていました。

「もし日本のカメラがドイツのカメラを打ち負かせるなら、日本のアスレチックシューズも、ドイツのアディダスやプーマを打ち負かせられるはずだ」

日本に目をつけた理由はカメラの技術力でした!そして見つけたのがオニツカタイガー。
それまで世界に君臨していた2大スポーツシューズメーカー、プーマとアディダス。これがドイツなんですね!(というか、ドイツ何者なんだ・・・誰か教えてください)。2メーカーが兄弟喧嘩で別れたのは有名な話ですね。サッカーワールドカップをここまで商業的にしたのもこの2メーカーの争いとも言われています。そこに日本の技術力で割って入ろうとした、ナイキ!

Canon Serenar 50mm F1.9というレンズに、ナイト氏を勇気づけた日本のカメラ史を見てしまいました。もはや「写り」とかじゃないところに感動してしまってるオールドレンズ沼な私です(泣)

もっと詳しく正確なお話はこちらをご覧ください!

≫ ナイキを創った男 日本企業との意外な関係(NHK NEWS WEB)
≫ 「SHOE DOG」 – 靴にすべてを。(フィル・ナイト著)

Canon Serenar 1.9/50 沈胴式のやり方

沈胴式レンズはこれが初めてで、やり方が分からなくて、あれこれ調べてしまったので載せておきます。矢印が書いてあります。反時計回しに回してひっこめます。

見ると、引っかかる溝ができているのが分かります。

沈胴させた状態だと、ミラーレスのセンサーに当たって傷つけてしまうので気を付けて。

この個体はたぶん安く買えたのですが、そこそこのちりが入ってました。キャップがないので、フィルターを付けて使用してます。フィルター径は40.5mm

 

原宿にて SONY NEX-5R + Canon Serenar 1.9/50

2018年5月26日
「オールドレンズフェス2018」を見て来て、その帰りに撮影したもの。ぜんぶ開放で撮ってると思います。
写りは、ややボケ玉という感じでしょうか?コーティングがあまり光に強くないからかも。
今まで使ったレンズだと、Kodak Angenieux 3.5/45(改造レンズ)に似てるかな?そこでも書いたけど、友人が持ってるLeitz Sumaritにも似てるかも?(Sumaritは「オールドレンズフェス2018」に行って魅力的なレンズだと知りました)

ネットで写りの評価を探してると、セレナーはズミタールよりコントラストが低いことが言われています。日陰の環境下ではわりとしっかり色が出てるように見えます。

ボケは控えめな感じですね。背景を残せるという利点もあるのかな?ちょっとでも光があると、色はあっさり出る印象。

だいぶ白くなってしまってます。フードを使えば違ったか・・・

背景はごちゃごちゃしてると、ぼかしてもうるさくなってしまいそう。焦点部分の解像度は良さそうです。

ロブスターロールの「ルークス」に寄りました。
ライカマウントレンズは寄れないから、ロールの方は写せませんでした・・・。最短1mくらいだったかな?

前ピンにしてぼかしてみるとこんな感じ。外側の収差が分かります。
でも、点光源はきれいに写りそうですね。

Canon Serenarは、写りもライカレンズを感じさせるものでした。
そして、日本のものづくりの原点を感じることができて、オールドレンズにはいろんな魅力が詰まってますね~。

オールドレンズ沼も残すところ少なくなってきました。あと3回の予定です。
気づけば日本に戻って来ていました。

次回は、やっぱり惹かれてしまう富岡光学!ラスト3回は全部ヤシカ関連です!

つづく。