前回はルートや航空券について考えました。今回ようやく出発して空の旅です。
写真:2003.8.7撮影、カイロ上空
クアラルンプール空港にて
今のLCCほどではないけど、大学生だからできるだけ安い航空券を探した。
そのため、日本からトルコ・イスタンブールの直行便というわけにはいかなくて、マレーシア・クアラルンプールで乗り換える。この場合、トランジットではなくてトランスファーと言うらしい。
数時間空いて、夜だし、街には出られないし、やることがない…。食事を取る時間と言っても限られているし、ずっとカフェスペースの隅の方に座ってガイドブックを眺めたいた。
ヨーロッパのおじさんおばさんの団体客もここにいて、そこを出るときに何やら話していた。揉めているという訳ではなく…。
しばらくするとケンタッキーのカーネルサンダースみたいなおじさんがこちらにやってきて、言った。
「ここには長く居る予定かい?」
「深夜まで」
と時計を指差すと、テーブルの上にマレーシアの硬貨をじゃらっと置いた。何か言って笑っていた。どうやら、もうマレーシアを出るから両替できない小銭を僕にくれたらしい。ありがたく頂戴した。
早速ケーキでも食べようと思ってカフェテリアに行ったら、
「ごめんなさい。もうお店は終わりよ」
と店員の女性に言われた。
さらにエジプトを経由する…
安い航空券はクアラルンプールだけではなく、さらにエジプト・カイロを経由する。確か、エジプトの航空会社と乗り合いになっていたんだったと思う。合計25時間くらいかかるのだ。
カイロでは降りる人だけが飛行機から出て、イスタンブールに行く僕や他の乗客は残った。
実は、カイロと言えば、僕がこれからする陸路のバックパッカーのゴール地点なのだ。スタート前にゴールに立ち寄ってしまうなんて、皮肉なものだ…。
ここから飛行機は1時間程度でイスタンブールに着いた。僕はこの距離を43日間かけて戻ることになる…。
次回はようやくイスタンブールに降り立ちます。どんな街なのか?
つづく。