前回は「クラック・デ・シュバリエ」観光が大変だった話でした。今回は、ホムスから電車でふたたびダマスカスへ向かいます。
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シリア旅行記ヨルダンへ:駅がない?ホムスの線路で待つ
朝6:30の宿を発つ。
駅は歩いてそれほどの距離ではなかった。
駅舎の2階でチケットを買い、他の乗客たちと同様に待っていた。
全員で10人程度だったろうか・・・。
しばらくすると、駅員が呼びに来て、乗ったのは列車ではなくて、なぜかセルビスのようなワゴン車??
「どういうこと?」
と思っていると、近くの線路端で降ろされた。
他の人たちはそこで当たり前のように列車を待つのだが、僕にはわけが分からない・・・。
乗客の夫婦に聞いてみると、駅が工事中だとか??
とうてい駅とは思えない、線路端で待った。
なんか、テレビで見るインドの鉄道みたいだ。
シリア旅行記ヨルダンへ:隣の法律家。ホムス~ダマスカスの鉄道にて。
1時間くらい待ってようやく列車が来た。
切符には座席番号があったから、その車両の人に聞いたりした。
英語ができるおじさんがいて、
「いいから隣に座れ」
と言う。座席番号とは違うんだけどな・・・。
自分の場所らしいところを見ると、すでに子供が座っていた。まあ、いいのかな。
彼は法律家だと言った。
弁護士や裁判官ではないが、法廷で働いているという。
ホムスからダマスカスまで通勤しているのだろうか?
彼は日本とアメリカについて話した。
「なぜ日本はアメリカにつく?ヒロシマのことを忘れたのか?」
とか、そういう話。
やはり反米の人は多い。シリアではそれが多数派なのかもしれない。
アメリカがイラクを攻撃して間もない時期だったこともあり、シリア人に限らず、出会った日本人ともイラク戦争のことを少なからず話した。
僕でさえ、この時期は反米感情を持った。
この鉄道はパンとジュース付きだった。
60spでそれはなかなかお得。
すぐ食べてしまうと、おじさんが自分の分をくれると言った。
遠慮したが、結局もらってしまった。
シリア旅行記ヨルダンへ:ヒジャーズ駅とヒジャーズ鉄道
10:30頃、ダマスカスの『カダム駅』到着。
『ヒジャーズ駅に着くと思っていた』
日記に書いてあったこのちょっとした一文だが、調べてみると背景が壮大で、まとめる自信がない・・・
簡単に言えば、鉄道駅としての「ヒジャーズ駅」はすでに廃駅であった。
それも、『第一次大戦時』に・・・汗
ヒジャーズ駅に鉄道が着くことはないのだった。
当時はそんなことまったく分かってなかった。
以下、ヒジャーズ鉄道についてwikiから引用
ヒジャーズ鉄道(ヒジャーズてつどう、Hejaz railway)は、オスマン帝国によって建設された、シリアのダマスカスから現在のサウジアラビアの聖地マディーナ(メディナ)までの区間を、シリア、ヨルダン、およびアラビア半島西部のヒジャーズ地方を縦断して連絡した鉄道である。総延長は1,308km、軌間は1,050mmで、オスマン帝国の鉄道網の一部をなしており、当初の計画では聖地マッカ(メッカ)を終着駅にしていた。
その敷設目的は、ムスリムたちの聖地であるマッカやマディーナへ向かうハッジ(大巡礼)の巡礼者たちの交通のためであるとされたが、真の目的は、オスマン帝国の宗教に対する支配やヒジャーズ地方に対する軍事支配を強め、またダマスカスとヒジャーズ地方との交易を強化するためであったとも考えられる。実際、当初から沿線に電信線が敷設されていた。
鉄道は1900年に建設開始され、1908年に完成し多くの巡礼者や兵士を南へ運んだが、第一次世界大戦時にイギリスの支援を受けたアラブ勢力に破壊され、路線のほとんどは以後再建されることはなかった。
ヒジャーズ駅の駅舎は、現在は観光名所になっているとのこと。
当時の僕は行かなかった。
鉄道駅としての再開発計画はあったらしいが、そもそも進んでいなかったらしいのと、今回のシリア内戦でさらに難しい状況だろう・・・。
シリア旅行記ヨルダンへ:ヨルダン入国の交通手段は?(ダマスカス→アンマン)
ヒジャーズ駅は廃駅だったものの、ダマスカス~アンマンという鉄道路線は通っている。
ヨルダン入国の交通手段としては、鉄道かバスかで考えていたが、今回調べてみると、セルビスがもっともオーソドックスな行き方だったらしい。
知らなかった・・・。
鉄道でのヨルダン入国は憧れでもあったから、カダム駅でチケットがあるか聞いてみたところ、
「月曜日までない」とのこと。
この日は土曜日。
できれば翌日に移動したいと思っていたため、バラムケ(バスターミナル)に行き、アンマン行きのバスチケット購入した。
ヒジャーズ鉄道のこの地域は、『アラビアのロレンス』ゆかりの地でもあるらしく、当時を彷彿させる観光用のSLが走ることもあるらしい。
ファンには有名な路線みたいだ。。
僕もこの旅行から帰ってこの長い映画を見た。
『アラビアのロレンス』の影響でこの地を旅行しているという日本人とも会った。
次回は、帰ってきたダマスカス観光です。ひとりで静かに過ごしました。映画館へも。
つづく。