カメラ遍歴とオールドレンズ沼前夜

Hiron
こんにちは、オールドレンズ沼のHironです。(Twitter / Youtube)
photo:Pan’s Film Cameras

はじめに

旅行記のブログのつもりでしたが、カメラで来ていただける方も多いので、カメラ・レンズ関係のこともまとめておこうと思い書くことにしました。現在は主にオールドレンズ沼な感じですが、ここではそれまでのカメラ遍歴を。

当時10万円のコンデジ、finepix 4700z

2000年、藤原紀香がCMをしていた。

なぜかこれを買うことを目標にしていた。バックパッカー旅行記でも書いたように、半ひきこもり状態で鬱々とした大学生活。これを買えば何かが変わると思っていたのかもしれない。はっきりとした理由はよく覚えていない。

今のコンデジの状況から想像できないと思うが、当時10万円した!!

はじめてのアルバイトの1か月分を叩いて買った。こういうお金の使い方ができたのだから恵まれていたと思う。今の大学生は不景気が続いていて仕送りもままならず、生活費をアルバイトで稼がねばならないと聞くから・・・。

当時のコンデジの争いはとにかく「画素数」で、画素数の高さが宣伝文句だった。まだまだプロの世界ではフィルムには適わないと言われていたから、各メーカーにとって画素数は重要だったのだと思う。

このfinepix4700zは、たぶん、コンデジの中でも画素数が高かったんじゃないだろうか・・・。10万円もしたんだから。(調べればある程度分かることだが汗)

そうそう、当時はまだ携帯電話にカメラが付いていなかったのだ!(wikiを見ると1999年から存在はしていたらしい)
だから、デジタルで写真が撮れるということ自体が特別だったのだと思う。

写ルンですだけのバックパッカー

このことは「旅の雑記帳」で書いたので詳しくは割愛するが、はじめてのバックパッカー旅行はこの写ルンです一本だった。
旅の熱はカメラ熱とは別だったため、旅行の写真を残すという考えがなかった。むしろ「心に刻むものだ」と考えていた笑。

しかし結果として、この後悔がさらなるカメラ熱への材料となった。

京セラ slim T

Kyocera Slim T

追記:2018.02.02
このカメラを使っていた時期もあったことを思い出して追記。
次に旅行に持っていくコンパクトフィルムカメラを探しているときに候補になったカメラ。安いのにカールツァイスのレンズが搭載されているということで人気もあったんだと思う。高級コンパクトフィルムブームの中で作られた、廉価版というところだろうか(Carl Zeiss Tessar 3.5/35 なんてレンズが搭載されてたのか。オールドレンズにハマっている今となってはまた試したいところ・・・)

2003年ころ、ヤフオクで1万円弱で買った。
時期が前後しているかもしれないが、カールツァイスレンズの写りが好みでなくて後にContax T2ではなくて、Ricoh GR1vを選んだような気もするし、Contax T2を買わなかったことに未練があって、このSlim Tを試したのかもしれない。

どっちにしても、このカメラには満たされることはなくて、すぐにヤフオクに出してしまったと思う。ほぼ同額で売れたんじゃないかな。
ただ、今ヤフオクを見に行ったら2万~3万で取引されていてビックリ!!よくよく考えてみて、オールドレンズの人気や、若い女の子たちのフィルムカメラブームみたいなことを鑑みればたしかにそれくらいになるかもしれない・・・。

Ricoh GR1v

これも「旅の雑記帳」で書いた通り。
カメラを持っていくならいちばんいいものだ!というミーハー精神で購入した。高級コンパクトフィルムカメラのブームみたいなものがあって、中でもトップを走っていたのはCONTAX T2だったと思うが、ちょっと違うものが好きというB型な性格がこれを選んだ。先述したように蜷川実花さんが使っているらしいというのも購入理由だった。新品で65000円くらだったと思う。

バックパッカー旅行記の中では、中東旅行のイスラエル・パレスチナと、東南アジアの写真はこれで撮った。

このカメラは私の物欲を満たすのに十分で、購入後十数年経った今でも持っていることが誇らしく思ってしまう。それほど熱中していない時期でさえ、このカメラを持っていることが私を「カメラ好き」「写真好き」と思わせていた。そういう存在のカメラになっている。

Nikon F80Dとズームレンズ

nikon f80d

レンズはAi AF Zoom-Nikkor 24-85mm F2.8-4D(IF)

こちらも「旅の雑記帳」の通り。
東南アジア旅行のあと、中東旅行を計画していたときに、Ricoh GRの広角レンズひとつでは写せないシーンがあったことでズームレンズを探した。Canonではなくて、Nikonにしたのは性格である。

旅の間これは重宝した。幅広くカバーでき、とくに人物のポートレイトでは真価を発揮したのではと思う。
中東旅行の先にあげた以外の国の写真はこのカメラで撮影している。初めての一眼レフということで大きく感じ、荷物になることがネックではあった。帰国後はほぼ使っていない。

PENTAX istDS

2011年、しばらく空いて購入した初のデジタル一眼レフ。すでに8年ほどの型落ちでヤフーオークションで1万円程度だった。レンズはキットのズームレンズをそのまま使用した。

ところで、みなさんがカメラをはじめたきっかけは何ですか?

数年空いてまたカメラに傾倒し始めた理由は、女性だった・・・。もしかしたら付き合えるかもしれないという女性が、カメラをやっていた。

私もやっているという自負はあった。なぜならGR1vを持っているから!笑

しかし、時代はデジタル一眼。世間ではコンデジが衰退し、カメラ女子なる女子たちが持っていたのはデジタル一眼だった。Olympus PENをはじめとするミラーレスが主だったように思う。広告の宮崎あおいがそのシンボルだったのではないだろうか。
とにかくフィルムという時代ではなかった。かくしてデジタル一眼レフを購入したのだった。なかばポーズであったのかもしれない・・・。

カメラ付き携帯電話からiPhone(スマホ)に移り変わり始めたのもこのころ。Instagramも始まっていた。

オールドレンズ突入前夜、突如現れた女の子

先の彼女とは付き合うことになり、そして別れた・・・。
すると、デジタル一眼レフへの熱はなくなり、ときどきRicoh GRでフィルム写真を撮るという日々に戻った。
デジタル写真は、iPhoneのカメラで十分だと思っていた。

2017年、突如現れた女の子。

結局女の子だった。
ひょんなことでLINE交換をした若い彼女は、私がアイコンにしていたフィルムカメラのGRに食いついた。

「フィルム写真いいよね」

なんでも若者の間でフィルムカメラが流行っていて、彼女も何を買えばいいか迷っているということだった。彼女は私を勝手に「カメラに詳しい人」だと思っていた。

「銀塩カメラが欲しい」と言い、「銀塩」をオールドカメラの真鍮でできた銀色の金属部分のことだと思っていた。無知をなんとも思っていないことが清々しかった。

私には使っていないistDSがあった。
もう壊れているかと諦めていたが、それはまだ動いた。

せっかくならレンズを共有できるPENTAX ME以降のオールドカメラを勧めたが、彼女が惹かれたのはSPで、それを購入した。

これがM42マウントだった。

それにしても、こういう知識はないのに熱がある若者の選択はすごいと思う。はっきりいって、私にもM42マウントだのオールドレンズだのの知識はなかったのだが、どこからか引き当てるようにPENTAX SPを選んでくるのだから。そして、

「写真の写りってレンズなんでしょ?」

と質問の形でその価値を教えられたのだった。
沼は近づいていた・・・。

つづく